それでも五輪やりますか?
1年延期になった東京五輪。
去年は開催に向けて、PCR検査を極力抑えて感染者数を少なく報告していたが、結局どうにもならず延期。
満を持して今年開催の予定だけれども、1年経って安心感は広まったのでしょうか?
現状を見る限りでは否、、です。
昭和39年東京五輪。僕は生まれてはいたけれど、まだ小さくて実際の記憶としては何も無い。
当時の日本は戦後からの復興が進み、経済成長期でもあったため、国民の暮らしはどんどん良くなり、また五輪に向けても新幹線が走り、首都高が開通し、一気に近代化へ進む国威発揚の一大イベントであったように思う。
そして秋の開催は何より選手ファーストなものだったはず。
が、しかし、今の五輪はすっかり商業五輪、もっと言えば金儲けの五輪になり果てて、選手のための大会などでは無くなっている。
季節は記録には不利な猛暑・酷暑の夏。
競技時間もマラソンは暑くなる前の早朝だったり、他競技もTVの都合が優先で、これまた選手ファーストとは言えない。
そして何よりお金が掛かり過ぎるのだ。
東京は「お・も・て・な・し」の精神や、東日本大震災からの復興をアピールして開催を勝ち取ったが、果たして勝ち取ったと言えるのか。
何しろ今や開催に巨額の資金が必要なことで、立候補する都市も少なくなっていると言う。
東京五輪もコンパクトに安く開催と言いながら、いつの間にか経費も当初の7000億円から3兆円に膨らんでいる。
これだけ投資して、やらなきゃあ更に賠償金まで掛かっちゃう。
もうやるしかない。それが現実なんだろうとは思う。
けれど、、ね。
このコロナ禍に、国民には我慢我慢と言いながらの強行開催は、どうも賛成できない自分が居る。
かつて昭和の東京五輪を見た世代の方々は、懐かしさも相まって、東京での開催はぜひ見たい所でしょう。
逆に今回が初めての東京五輪って言う世代も、それはそれで二度と無いかもしれない国内開催に心が躍っていたでしょう。
だけど、私は今夏の東京開催にはNOとしか思えない。
去年から1年準備してもコロナは一向に終息しない。実際打つ手が無い状態です。
それがあとたった100日で改善するとは思えません。
改善どころか再び緊急事態宣言になろうかって言う勢い。
政府の政策はただ国民に我慢をお願いするだけ。
去年のGW以降、私達の暮らし、どうでしたか?
GWは帰省も出来ず旅行も出来ず。
お盆も、正月も、そしてきっと今年のGWも。
それでいて「経済を回せ」 要するに働いて税金は納めろってことです。
もちろんその税金が、正しくコロナ禍での支援・救済に当てられるなら仕方ないですが、さて現実は。。
五輪に向けて聖火リレーがスタートしました。TV ではランナーを警備員が取り囲み、とても歓迎ムードには見えない厳戒態勢の聖火リレーとなってます。
が、TVには映らない実際のリレーはと言うと、
五輪スポンサー企業の、それこそお祭り騒ぎのような宣伝体制です。
聖火ランナーは誰とも接触しないよう警備員に囲まれてTVでは映っていますが、写真に映る次走者(聖火を待つ間、密も密で待ってます)は、こんな集団に囲まれているようです。
複雑ですよ。
ワクチン接種率0.9%で、先進国(なのか疑問)では最下位の日本。
世界でも第60位と言う、五輪開催に向けて準備していると言えるのかこれ、な日本。
医療従事者に先行接種と言いながら、医療従事者の10,20%しか接種出来ていない現状。
それでも国民に接種がスタートした感を出すためなのか、高齢者接種が始まりました。
もちろんそっちも全然足りず迷走中。
でもねえ。ワクチンを打つ医者が接種してないのに。
そして五輪に医療従事者1万人を必要とする大会。受け入れる外国人5万人。
いや、五輪中止で失う経済効果よりも、五輪開催で後々失う経済の方が莫大な物になるような気がします。
それ以上に、五輪開催で失う命となると、後からは戻って来ることも無いのです。
大袈裟と思うかもしれませんが、無症状者がちょっと移動しただけでこれだけ拡大するんですから、新たな変異株が流入したり、それはなくても人が大勢移動することは確実です。
ここからが本当のパンデミック発生になるかもしれません。
もちろん賛否は色々あろうかと思います。それは当然のこと。
また、各自の立ち位置で思うことも違うはず。
例えば若者ならコロナは怖くないかもしれませんし、年金生活者なら家に籠ることも出来るかもしれません。
でも私なんかは定年間際の高齢者。しかも通勤電車で毎日会社へ行き、仕事も社内ではなく外で対面。
いつどこで感染するかも分かりませんし、感染すれば無症状では済まないでしょう。
基礎疾患ありなら命の危険さえあります。
安心・安全の開催と言うのであれば、きちんと事実を報道して欲しいなあって言うのはあります。
ちなみに今打っているワクチンも、実際は随分と副反応が出ているようです。
欧米人に比べて日本人は副反応が出易いとのデータも。
コロナの脅威も、ワクチンの効果も、どちらも数年、数十年経たないと分からないのかもしれません。
この未知の脅威と闘うのですから、出来るだけリスクは避けたいです。
タイトルの話に戻せば、私は五輪開催は反対なのです。誰もNOと言えないまま、取り返しの付かない事にはなって欲しくないからです。
リスク管理って最悪を想定して行うものであって、後で「怖がり過ぎだよ。何も無かったじゃん」は許されても、「開催するべきじゃなかった」は許されないと思うのです。
選手にとっては4年に1度、あるいは一生に1度かもしれません。
が、私達にとっても命はひとつです。
五輪よりも普通の生活に戻って欲しいのです。
最近のコメント