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2019年9月19日 (木)

黒部の山賊(その2)/伊藤正一

以前紹介した「黒部の山賊」、やっと読み終わりました。

雲ノ平山荘で見たスライドショー。
それは山荘のオーナー・伊藤正一氏が、苦労して黒部源流地域に山小屋を建て、未開の地を登山を楽しめる地へと発展させた奮闘の歴史でした。

だから、この本の内容もそういうものかと思い込んでました。

が、


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この本のタイトル、「定本 黒部の山賊 アルプスの怪」となっています。

 

実はこの本、昭和39年に発行されたものなのです。
その後、平成6年に新版「黒部の山賊」として刊行され、長い間これらの山小屋でのみ販売されて来ました。
そして2019年に加筆・訂正をし、定本として文庫化されたものです。

 

あれ?

読み終わってみて、ちょっと勘違いしていたかもしれないと思いました。

それは、スライドショーは正一氏の息子さん達が、正一さんを偲んで作ったもの。
だからなのか、正一氏の苦労物語的になってます。

が、

この「黒部の山賊」は昭和39年に書かれたものであり、その頃はどんな時代だったかと言うと、初めてヘリでの物資運搬が始まった年であり、それはつまり、過去を振り返って苦労話をすると言うよりは、まだ奮闘中でもあり、また次々に便利になって行く充実の時期だったと思うのですね。

 

内容も、確かに山小屋建設の苦労もありますが、むしろこの山賊達との楽しい生活や、山で遭った不思議な話(幽霊)だったりと、山歩きをしない人でも楽しめる内容でした。

もっとも山や谷の名前が出て来るので、実際に黒部周辺を歩いた方が、読んでいて楽しいでしょうけどね。

 

一般人の4倍ものスピードで山を歩く山賊や、岩魚釣りの名人の山賊。
信じられない超人的能力を発揮する山賊達との、心温まる交流。
どちらかと言うと、正一氏はこの山賊との楽しかった思い出を語りたかったのでしょう。そんな気がします。

 

幽霊の話も面白かった。

どこからともなく、「オーイ、オーイ」と呼ぶ声が、それに自分も「オーイ」と答えると、そのまま何者かにさらわれて遭難する。
「オーイ」と呼ばれても、絶対に「オーイ」と返事してはいけない。
じゃあ何と答えるか。「ヤッホー」と答えるのだそうです。

 

たった1人で行方不明になった青年が、何日も経ってから発見されて、
「みんなとずっと一緒に居たから大丈夫でした」
と言った話。

 

遭難した翌年から、命日になると現れる幽霊。
「こんばんは、こんばんは」と挨拶する声、しかし行ってみると誰も居ない。
翌年、翌々年と同じことが続き、5年目の命日に、
「ありがとうございました」と。
それを最後に、命日になって不思議な訪問者は来なくなった、と。

 

昭和39年の本が、未だに人気で再発行されるなんて、一読の価値ありかもですよ。

iine

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コメント

ひゃあぁぁ。
背筋が寒くなりました。
山に一人で入って行くからかな。
でも遭難者が出るような高い山には行ってないんですけど。
低山でも油断は禁物ですね~^^;

本、読んでみたいです。

弥沙さん、おはようございます。

猟師の話も面白かったですよ。
熊退治に洞窟に入ったら、中は真っ暗、たまたま転んだら、その体の上を熊が歩いて外へ出て行ったなんて話も。
ブルブル。
わたし的には、猟師の話より、幽霊の話の方が面白かったかな。
一度軽く本屋で立ち読みでもいかがですか?

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